2015年5月27日水曜日

大人のADHD

 珍しくまともなことを書きます。

 私は、最近になって成人ADHDの診断が下りました。

 もともと落ち着きのない子供で、時間にルーズで、朝起きられないでしたが、結局そのまんま大人になってます。
 高校生ぐらいまでは、いわゆる学校生活で毎日怒られて暮らしていましたが、大学に入って色々なことが、自己責任・自業自得になってくると、やはり子供の頃の自分と同じことをしていました。
 あまりに遊びすぎて留年したり、かと思ったら飛び級したり、研究室に2時間と居られなかったり。
 就職も結局1ヵ月・3社程度で決めちゃって、別のやりたいこと初めてしまったり、せめてマスターまでは居てくれると思ってたと担当教授を嘆かせたり。
 就職したら落ち着くかなぁ、とも思ってたのですが、そういう訳でもありませんでした。

 ある年、突然うつ病になって全く動けなくなり、内科から精神科に回され通い始めて、今では小康状態で再発防止に薬をもらっているだけでしたが、ここ数年、アルコール依存症的な状態になり、精神科で相談したのがADHD発覚のきっかけです。
 依存的なコントロール不能の乱用は、ADHDでよくあることらしく、私の子供時代の話や、テストのようなものをやって、診断と相成りました。

 正直、ADHDと言われても、生まれつきというか、持ったもので性分だと思っていたので、不便は感じるものの、不幸とかはあんまり考えたことありませんでした。
 むしろ、世の中の人は凄いな、俺はあんなマメにはなれないし、どうしてもうっかりミスするからスケジュール表必須なんだよな、なんて思ってたくらいで。

 これが、治療を始めて、いろいろわかってきました。

・性格の問題でしょ? っていう誤解。
 性格の問題ではあると思います。
 でも、努力で直せる部分、直せない部分がやはりあります。
 当たり前のように勝手にやっていることを、全部やるのは大変です。それは当たり前に出来ているからこその、当たり前です。
 治療を始めて、普通の人が普通に目に映った範囲で行動するってのはこれぐらい楽なのか、と思いました。
 私には、まともに社会生活を送れる程度までポカミスを減らすためには、「今日の帰りにはコンビニで切手を買う」「それを貼る」「ポストに投函する」ぐらいの粒度まで落とし込んだ手帳が必要になります。
 PDAや、スマホは凄くありがたいです。変更を直ぐに書けるし、時間入れておけば震えて教えてくれるし。大学時代もずっとPalm使っていました。

・ADHDって「落ち着きがない子供」でしょ? っていう誤解。
 子供だから、落ち着きがないだけであって、おそらく大多数のADHDの大人は、少なくとも落ち着ているように見える程度に、努力して大人しくする術を身に着けているだけです。
 なので、見た感じ落ち着いているからADHDじゃないんじゃないの? は結構的外れです。ワタミ社長の、「無理と言ってもやってしまえば、無理ではなかったことになる」みたいな論調に聞こえます。

・ADHDって治らないんでしょ?
 もちろん、治る類のいわゆる「病気」ではありません。
 といっても、ハンディキャップとも違うと思っています。ただ単に、端的に表現すると、疲れるし不便です。
 花粉症のように、その問題と付き合っていくために、ある程度のデメリットを認識した上で薬を使用することは、私は悪くないんじゃないか、と思います。というよりも、圧倒的に楽です。実体験として。
 足が動きにくい人が廃用のリスクも考えたうえで車椅子を使うことに、「楽をするな、道具に頼るな、鍛えろ、強くなれ」とは言われにくいのに対して、精神面でのこういう薬にはすぐ「楽をするな、薬に頼るな、鍛えろ、強くなれ」と声が上がるのがよくわかりません。

 閑話休題。

 さて、私は診断が下りてから、ストラテラという薬を飲んでいました。
 120mg/day。

 効き目として、以下のようなことがありました。
・先延ばし癖が少しましになる。
 以前は「今は未だやらなくていい」のラインがかなり後ろ側でした。
・同じことを何度もミスったときに自覚できる。
 ミスった瞬間に、あ、これ前もやったやつだ。2倍怒られるな。って思うことが多々ありましたが
・シャツがズボンからあまりでなくなる
 指摘されたら出てました。
・整理が少しできるようになった。
 散らかっているようには見えますが、どこに何があるはず、は把握できるようになりました。
・ポカミスが少し減る
・お金が溜まる
 
 これだけでも、私にはかなり効き目が大きく、やっぱりADHDだったんだなぁ、と思ってました。
 はっきり言って何も飲んでないころとは雲泥の差。
 今までちゃんと仕事があったのは、それを驕ってはいけないのはもちろんですが、技能がまず優先されて、あとのことはある程度大目に見てもらえる技術職のありがたみを感じます。
 ただ、転職して半管理職となり、調整などなどの業務でこれがまた大変な状態になっていました。
 さらに、それだけ出来るようになっても、辛さ、焦りが相当マシにもなっています。

 しかし、あと一歩、下記のことがなかなかうまくいかず。
・夜の早寝、朝の早起き
 これは、ストラテラ飲み始めてから顕著に悪くなりました。全然寝れない。で、全然起きれない。
 もともと睡眠薬を飲んで寝ていたのですが、あまりに起きれないので、ごく微量しか今は飲んでません。
・早め行動
 先延ばし癖がマシになったといっても、早めに行動する、ということは未だできていません。
 意識はしているのですが、早め、先回り行動とは程遠いです。
・一度抜けたものを全く思い出さない。
 忘れたら忘れっぱなしです。これはいけない。
 TODO帳にTODOを入れることを忘れる、なんてのが非常に痛いです。
 Redmineがすごい味方になってくれてますが、それでも入れ忘れたら意味がないです。

 これを主治医に相談したところ、
「効いたけど、今一つ、ってことだね。薬を変えてみようか。コンサータって薬なんだけど」
 と薬が変わることに。

 どうやら、調べてみると、このコンサータを飲んでいる方はそんなに多くないというか、成人ADHDの治療が始まった事自体が最近の話らしいですね。
 せっかくなので、このブログでも書いていこうと思います。

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